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        日知り事典  台風1

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台風・・・・・・以下、2件引用する。先ずは05年の『いさぼう技術ニュース』から転載。
アメリカで歴史的な被害をもたらしたカトリーナ、日本で甚大な被害をもたらした台風14号、今メディアでは気象と災害
についてかなりの注目をもって伝えています。

先ず台風の定義についてですが、熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼び、このうち北西太平洋で発達
して中心付近の最大風速がおよそ17m/s(風力8)以上になったものを「台風」と呼びます。台風は暖かい海面から供給
された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱をエネルギーとして発達します。

しかし、移動する際に海面や地上との摩擦により絶えずエネルギーを失っており、仮にエネルギーの供給がなくなれば
2〜3日で消滅してしまいます。今回の台風14号のように日本海の海水温が高い場合はエネルギー供給され、なかな
か勢力が衰えないことになります。

台風は中心付近の最大風速によって定義されますが、もうひとつ勢力の目安とされるものに中心付近の最低気圧があ
ります。過去日本列島に上陸した台風で最も気圧が低かったのは、1934(昭和9)年9月21日に高知県室戸岬付近に上
陸した室戸台風です。このとき室戸岬測候所では911.6hPaの最低気圧を記録しました。

地表面では、周囲の空気が台風の中心に向かって反時計周りにどんどん流れ込みます。気圧が低いほど空気が流れ
込みやすくなり、流れ込む空気の風速も強くなります。そのため気圧の低さが風の強さの目安ともされます。流れ込ん
だ空気は巨大な渦巻きを作りながら中心付近では上昇気流となり積乱雲を作ります。

海では気圧が下がることで海面が持ち上げられます。これを「吸い上げ効果」といいます。外洋では気圧が1hPa下がる
と海面が約1cm上昇するといわれています。地球表面の気圧は約1気圧、1013hPaです。ここに室戸台風並みの
910hPaの台風が来た場合、中心付近では約103cmの海面上昇が起きます。

周辺でも気圧に応じた海面の上昇がみられます。これが台風による高潮の一因となっています。以上、『いさぼう技術
ニュース』▽台風とは http://isabou.net/index.asp?jump=/Convenience/Tool/taifuu/index.asp 平成17年09月08日号
から転載。

▲次は06/9/13のNHK教育TVからの引用・・・・・台風は何時も違ったコースでやって来ます。ただ全体的に見れば秋
に来て、入れ替わり立ち代り日本列島全体を通って行きます。其の台風を地上から見ると其の中心を軸に反時計回り
に吹いています。従って台風の中心が真上に来た時には雲がなく晴れて無風状態になる。此れが台風の目です。

台風の意味・・・・・・台風は初秋に来る暴風雨ですが、其のエネルギーに載って来るのは先祖です。お盆に先
祖が郷里の子孫の所に戻って来るのです。恵みの風雨を手土産として持って来て下さるのですから無闇に拒むよりも
歓迎すべきです(当会の西埜説)。ともあれ昔は台風を大風とか嵐と言った。

嵐の「荒らし」は「洗し」に通じる言霊である。特に大きな風雨は環境を一変にクリーニングし、しかも植物を育てるなど
の天恵を齎す(しなとの風を参照)。エジプトでも古来、ナイル川が繰り返し氾濫するのを神の恵みとして喜び、其の都
度、豊作を祝い、税収も増えた。

台風などは原爆数個分もの巨大なエネルギーを持って来るのに此の折角の恩恵を現代文明社会は拒否するのですか
ら変である。台風の恵みによって地球環境が維持されているのであるが、折角やって来てくれる其の恩恵の活用法を
近代文明は知らずに拒否し、無闇に恐れて対策や対抗策をとって来た。

生かす方策も採れないまま、もっと別の不自然な機械文明やもっと儲かりそうな目先の事を追って来た。このため台風
を極端に警戒し、或いは拒絶する対策を講じた。例えば「もっと儲かる作物を作りたい」と思いついて不自然な物を
色々作りすぎた。不自然な大陸農法によって化学肥料や農薬を撒き散らした。だから祓われる(「祓い」を参照)のだ。

或いは「もっと便利に」「もっと快適に」と言うバス・水洗トイレ付き電化生活やジェット機・新幹線と車社会の暮らしが自
然現象の変化で断たれる。そうなる事を心配して、マスコミは毎度、「狼少年」になって「大変だ!」と吼え騒ぎ、政府は
其れに乗っかって予算を膨らませて来た。

そうして益々箱物公共工事に銭を流すが、この種の「防災対策」が見事結実する事は少なくて、寧ろ決まって多くの人
災を見せた。税金を使って人々の血を流し、命を失わせたのは愚かではないか。恐れるべきは台風よりも、寧ろ「便利
さとか不自然さ」なのだ。

さて台風とは日付変更線(東経180°)より西の太平洋、南シナ海で生まれた熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風
速が17.2m/s以上のものと定義している。古来、日本では「大風」とか「野分け」と言ったが、シナから見て台湾の方
から来る嵐を今は「台風」と書く。其れをアラビア人がヨーロッパに伝えたので英語ではタイフーンとなった。

東経180°以東では南米の風の神に因んでハリケーン(別項を参照)と言う。またインド洋で発生したものをサイクロン
と言う。此れはギリシャ語で「旋回」を意味する。またオーストラリア周辺のものはウィリィウィリィと呼ばれる。「どうしよう
もないやつ」と言う意味から来ていると言われる(以下は「いさぼうネット」から引用)。

▲兎も角、日本では夏から秋に掛けて、台風が来なければ列島が日干しになります。この時期は梅雨も終わり、日照
りがきついので雨の可能性は先ず有りません。其処で気まぐれな雷雨にしか雨を期待できないのです。

このため台風は毎回、態々屈折し寄り道して日本に向かい、太平洋と東シナ海から湿った空気を運び、其の都度、略
10日間ほどの間、列島に暖気と水分を押し上げて来て雨風を齎す。しかも列島を縦断するように南西から東北へ走り
過ぎて行くのです。

だから台風は喘ぐように、息を切らしながら進む。海水を巻き上げて、雲にして、大陸に運ぶ言わば「白龍」であり、彼
らは年間に1mの高さの雨を私たちの元に降らせてくれている。だが彼ら・台風は、雨風を運ぶのが任務ではない。
務は大掃除である。人類が溜めた腐敗や汚物を洗い清めて地球の元気を回復させるのです(「風」を参照)。

雨風は其の「副産物」であり、人類だけが勝手に使ったり水道局が独占的に売り捌くのを助けるつもりもない。海山と
野に有る万物を風に晒し、綺麗な雨で洗って大掃除するのだ。其れが済めばまた風を送って水蒸気の雲に変えて次の
任地に向かう。つまりリサイクルを繰り返して進むのです。

雨を降らせた雲は、母親が子供たちを集めるように方々に散った仲間を谷間からかき集めて上に上げ、雲として次の
任地に運んでまた降らせます。同時に台風は、川も、地下水も、そして海水も潤し、或いは底から掻き混ぜて大掃除し
ます。或いは逆に、潤った所をカラカラに干乾びさせる。

こうして乾湿両面を持つ台風(白龍)は、地球の水の循環システムを司っています(「大気」を参照)。
つまり彼らは物理的な機械ではなくて生き物だから、人(気象庁など)が機械的・数値的に見て予測を出しても中々当
たらない。先に台風を「白龍」と言いましたが、彼らは実に生き物として生々しく人間臭い存在です。

ですから人間の意志が通じる所が有ります。此れは犬や猫といったペットや獣の場合でも、言葉が通じない筈の飼い
主と何処かで意思が通じるようなものです。草木の場合も有る程度人の意思が影響します。農家の人は作物が人の心
に反応する経験を持っている筈です。

其の点、白龍はペットや作物とは別格ですが、強いて言えば草木よりも鳥類に近い存在であり、実に人間臭い面と同
時に、無視しているとイタズラを繰り返す習性も有ります。何れにせよ、お互いが自然循環の一部(共生関係)であり、
人類とは有る面で相似・相関関係に有るようです。

であるものの人類の科学文明が自然に取って悪魔的存在になり易いのに比べて台風は、自然界にとって一番有り難
い恵みです。ですから猛威と言う形容詞で表現するのは誤解である。植物たちは此の風に酔い、全身を揺らして歌い
ながら風と共に伸び上がり、清められ育って行きます。

虫やカエルも台風と連動して大合唱して喜びあい、魚も同じように飛び上がるのです。其の点、台風を恐れたり「困る」
と思うのは人間だけであり、そうした偏見が特に都会人の困った誤解と錯覚になっています。そうした今の常識(科学
迷信)から離れて自然を素直に見れば、例えば落雷の後と、「台風一過」のあとは実に清々しいものです。

其れは何れも彼らが木々と共に歌いながら大掃除を済ませてくれた後だからだ。特に台風は、広い空ばかりか深い海
の底まで掻き混ぜて大掃除してくれる巨大なエネルギー体です。だから自然界にとっては大きな恵みであって、被害を
出すと言う事はないのです。

例えば台風の経済波及効果を金額に換算すれば水1トン200円に換算しても平均して数十億円から数百億円である。
所が稲作民でも其れを良く分かっていない。風が作物を育ててくれた恩を忘れて台風を極度に忌避しようとする。

特に稲の開花時期と、収穫が始まる二百十日や二百二十日頃は、台風シーズンと重なるとして「農家の厄日」とし、昔
から警戒して来た。

しかし台風の進路を円暦から見れば分かる通り、日本列島が伸びる方向に台風が来れば、方位の力で風が更にパワ
ーアップする事と、列島がこの方位に沿った地形であるから恩恵と祓い(被害)との両面を同時に受ける仕組みになっ
ているのが分かる。

台風は年平均2.6ヶほど上陸するが、04年は既に6ヶ(8/31現在)で、過去最多記録の90、93年に並んだ。04年
は台風23号で10ヶも上陸した事になり、最多記録となった。ともあれ恩恵があるのに其れを被害としてしまうのは、自
然に逆らって人工物を構築した都市・護岸や工業化した薬害田園地帯である。

▲さて台風は春夏秋と発生するが、実際に来襲し、上陸するのは其の地方がこの時期、つまり円暦方位に重なる時で
あり、それ以外は心配ないのです。但し北海道は冬にシベリアとアラスカ方面からの風を受ける。此れは五風十雨(別
項参照)の原理で冬は北から風が吹くからである。

台風が接近した場合は、進路の右側が強い風となり、また南(太平洋)から来て北(日本海)へ抜けた場合は其の後に
雨を引きづる。もし台風の襲来を心配してそのコースを予想する場合は、台風の進路が九州南沖で折り返す地点がキ
ーポイントになります。

円暦によって、台風の目の有る地点と円暦の日時・方位が重なる地域には上陸し、それ以外の地域ではさほど心配す
る必要がない。心配するより迎えて喜ぶ事が被害を少なくするようです。風水も地震も自然が作る現象ですが、人は其
れを天災と言う。しかし被害の原因は、天災ではなくて実は人類が個別に作るものです。

其の辺りの点を心得違いしていれば被害は一向に減らないのではないか。其の証拠に、同じ所に同じように台風や地
震が広がるにも拘わらず、家が倒れる所と倒れない家がある。或いは切れる堤防や道路と切れない堤防・道路がある
訳です。

無論、其の原因を物理的に説明する事も出来るので、天災であるとか、構造的な問題と見るのが一般常識ですが、人
の生死も災害も個別に現れる。原因が天災ではなくて、個別の人災として、其の現象が個別に現出する訳です。

たった一つの自然現象から無数の雑多な被害を現出しないためには、自然の摂理にあった暮しをすれば良いのです
が、便利さと快適さ、其れに銭金主義を絡ませた現代社会が其れを許さないと考えてしまう点をもっと反省すべきで
す。だが多くの人々は反省を嫌って寧ろ勝手にも予知と対策を他に求めます。

問題なのは、自然の摂理とは別の生き方を文明と規定し、被害があれば防災関係者が決まって「想定外だった」とか、
「異常気象」のせいにして逃げてしまう。のみならず「もっと設備を良くするための予算」を要求するだけである。或いは
「自己責任」を言い出すので、住民はまた泣き泣き資金を集めてまた元通りの暮らしを続けようとします。

でも今まで通り復興してはならない点がある事を先ず反省する必要があるのですが、其れよりも強い執着・執念が、ま
た別の地獄を見せるのです。

台風被害・・・・・・・・・04年は台風23号で都合10ヶも上陸した事になり、最多記録を更新した。其れだけ上陸
すると言う事は、実は其れほど日本が汚れて来た事を意味する。台風は人智では計り知れないほど様々な恵みを齎す
天使です。でもエテシテ台風は人に嫌われるので哀れな立場です。

台風は汚れた所をお掃除する為、綺麗な所の水を吸い上げて来て、汚れた所まで運んで来て雨を降らして蒸留水で洗
い流してくれるのにです。其のため必要な水はアチコチから工面して来なければならないから忙しい。そんな難しい任
務を息を切らしながら短期間で果たすものの、最後にはボロボロになり、ヨタヨタになって息絶えるのです。

そう言われてもどうしても「台風が嫌い!」と言う人は、エゴをなくす事。無節制を改める事。先祖の心や神を信じる事。
そして公害を出さないことだ。更に電気を使わず手作業でするとか、農薬を撒き散らさない事だ。飛行機や車に乗らな
い工夫やゴミを出さない工夫です。でもそれらを全部満足するのは無理だから、台風に大掃除を頼むしか有りません。

とすれば、嫌わずに寧ろ感謝すべきなのです。04/5月、ハイチでは洪水で1700名の死者を出し、同年9/23日現在、ハ
リケーンによる洪水のため北西部では1000名の死者を出した。ハイチは樹木の大半を伐採したため集中豪雨に弱く、
土砂崩れ被害を出してしまう。

また05/8/30のカトリーナ(ハリケーンを参照)では死者数千名の被害に及ぶと見られる。更にその後にエクアドルでも
10/10日現在、同規模のハリケーンが襲った。所で米国ではハリケーンにキティとかジェーンとか女性名を代名詞にす
るが、此れはハリケーンをヒステリックな女性として見た命名であろう。

だが嫌ったり拒否しても解決しない。彼女たちの行く手を塞いだり、川の流域を人間の欲得で狭めてはならないのであ
る。

災害対策の指針として気象庁は台風シーズンには一段と奮い立って「警戒」を叫び、過剰なほど警報と注意報を乱
発し、雨量もオーバーな数値を予報して警戒を呼びかけます。だが大抵は「狼が来るぞと叫ぶ狼少年」でした。台風は
毎年この時期に、大きなエネルギーを日本に持って来てくれる実に有りがたい存在です。

であるのに被害をオーバーに予報して警戒を呼びかけたり、対抗的に警戒と「防災」を叫ぶのは自然現象に無理解
な、機械的な反応でしかない。04/7月末に反時計回りにやって来た台風10号について気象庁は、近畿の雨量を800
ミリと予報して警報を多発したが、大阪では1mmだった。

所が徳島の上那賀町ではこの台風で1200mmの集中豪雨となった。続いて04/8月の15号では四国で9人が犠牲とな
った。続く16号では10名死亡、3名不明となった。其れがもし天災であれば神の犠牲であろうし貴い犠牲である。であ
るならば必ずや神々の犠牲として格別の計らいがあり、きっと天界へとお導き下さるでしょう。

無論、筆者も陰ながらご冥福を祈ります。だが、人災ならば災難とは言え実に腹が立つ。国が「土砂崩れ危険個所」と
指定した所は全国で33万ヶ所存在する。その外に高潮危険地域もある。高潮では04年、高松市は二度も見舞われて
2名死亡となり、高潮被害で広域に浸水被害を出した。

此処は昨年も被害を受けているのに国や県の土木のプロの頭がおかしいからゼニカネ公共工事しかしなかった。官の
タルミが治らなければ人災・被害を出して当然です。土木行政とはリベートや利権である、と言う誤解の姿勢でしか彼ら
が仕事をしないとすれば、本当に必要な住民のための施策がなされない。

だからいったん人災を出せば国土交通省と県や町の腐った体質の責任であり、其れを「天災」と誤魔化して責任逃れ
をしてはならないのだ(「防災」を参照)。けれども助役は「知らぬが半兵衛」で他人事のように「自然災害だから」と言
う。台風と大潮と満潮とが重なれば高潮となるのは昔から分かっている事だ。

だから此れが住民の生命財産を守る立場のプロとしての自覚としたら頭がおかしいと言うのだ。特にゼニカネ公共工
事しかしなかった恥ずべき役人は全員辞めるべきだろう。しかし住民が始めたアンケートさえ市が撤去した。

行政がなすべき高潮被害のアンケート調査をしないので、被害住民たちが自らアンケート調査した所、市が04/10/9
日、撤去した(毎日新聞)と言うのですから怠慢行政と隠蔽体質が良く分かる。更に05/2/23日には、被災した香川県
職員232人に対して、県は公費で半額負担していた事が暴露した。

一般県民は家屋が全壊以外は公的な見舞金の制度適用がないのに公務員だけが厚遇されていた。こんな所には住
みたくないものだ。

04年の台風は21号まで含めると8本も上陸した。過去、年平均2.6ヶからすれば観測史上、最多記録である。
人々はもうウンザリしているが、今年の特徴は台風銀座と言われた九州が3本だけ、日本海側が6本、北海道が5本と
なった。此の意味は気象学的モノカネ解釈では何も分からない。

本来、台風が来ない四国山地の瀬戸内側や日本海側と北海道が今年は特に風雨に晒され、21号では土石流と土砂
崩れで死者20人、不明7人の被害を出した。被害は愛媛の新居浜と三重県の宮川村とに集中した。

其の地は晒されるべき時期に来ていたのだろうが、人災ではなくて天災であったろうから其の分、今回の犠牲者につい
て、神の犠牲として特別な思し召しを期待したいが、続いて23号も上陸した。此れで本年としては10本目となり、記録
的な回数で死者90・不明4名(10/31現在)と言う大惨事となった。

テレビでも事前に「超大型台風」として警戒を呼びかけて来たのに被害を広げたのは実に残念です。23号は九州から
千葉まで駆け抜けたが、マスコミは「行政の避難勧告が遅れた」と言う声を伝えた。或いは「避難指示」にすべきだった
と言う声を映像で流した。しかし役場からの如何なるアナウンスも意味が無い。

太鼓を叩けば行政の責任が回避できると誤解した所が被害を出した。行政は掛け声だけで済まさず、自ら行動しなけ
れば役に立たない。豊岡市では浸水想定区域図や防災地図(ハザード・マップ)も作ってなかったようである。地元では
堤防の危険を事前から察知して、再三国交省やお役所に掛け合って来たが握り潰されて来たと言う。

また土木事務所が夕方に「洪水警報」通告のファックスを受けていた。にも拘わらず翌朝まで気付かず放置していた
外、警察から通告されて通行止めの連絡をとった(警報から5時間後)など、行政の横の連絡が怠慢であり、不手際が
重なって「バス水没」となり、60余名が水没した外、多数の人命を広い範囲で危険に晒した。

警察もまた危機管理の欠如と怠慢による状況判断の甘さがあり、起こるべくして起こした人災でした。高知(室戸)、岡
山(玉野)、京都(宮津)、香川(さぬき)、兵庫(淡路)、千葉(九十九里)などが次々犠牲者を出したのは天災ばかりで
はない。何故今回はこれほどの被害を出してしまったのか。豊岡市の場合は円山川が「暴れ川」と言われて来た。

其れは海との落差が河口部ではたったの1mだったから度々氾濫して来た訳です。こんな所に巨費を投じて堤防を築
いても気休めでしかなかった。ですから冠水した土地は今後は農地にしておくべきであり、町を作らない工夫と勇気が
必要です。特に川底が上って天井川(別項参照)となった川の周辺は要注意です。

一級河川であれば国、二級以下なら県の責任である。所が国も県も、堤防にだけ巨費を投じて、「川ざらえ」を放置して
来たのではないか。其のような町には住まない勇気が必要です。米作地帯の豊岡と新潟では今回、洪水や「中越地
震」となり、米穀の作柄が「良」から一転して「不良」になるかと懸念されている。

事実、既に野菜の品不足による暴騰と便乗値上げとなっています。でも台風は本来、作物に害を与えるものではない。
今年は仮に「凶」と出ても、以後数年は豊作となるからです。でももし「大掃除ではなく被害だけだった」とすれば、其れ
は何か人為的な間違いをするためです。

例えば04/1/26の毎日新聞によれば、国交省が3年前に台風の「浸水予測」をしたDVDを大江町など各役場に配布
し、注意を促していたのに其れが生かされなかったと言う。豊岡市は関東大震災の2年後の5/23、「北但馬地震」と
なり、続く昭和2年にも「北丹後地震」で大惨事となった。前者では葛野川の河口が陥没して海となった。

当時はボランティアが活躍してかなりの人々を地震火災から救出したと言われるのに、その後も陥没の教訓は生かさ
れなかったようだ。 この様に、杜撰な都市計画や危機管理意識の欠如、其れに加えて被害時の各自治体同士の連携
体制のなさ、・・・など実際、何れをとっても「お役所は何をしていたのか」と強く行政責任を問われて当然です。

またリベートを取って工事をさせた政治家は無論の事、手抜きなど杜撰な工事をした土木業者も過去に遡って責任を
取るべきだろうが、キチッと責任を取ったとか、営業停止になったとか、或いは逆に立派な工事と責任体制を褒めたニ
ュースにも接した事が此れまでなかったから不思議である。其れが無ければ今後も被害をなくせないだろう。

或いはダムをやめて、その代わりに新築条件として各家庭が山形屋根から別紙のV屋根に変えて自衛するしかない
が、今回は住民側の油断も目立った。住民は、マスコミやお役所の判断を鵜呑みにせず是非自分で天気を見て判断
できるようにして置きたい。豊岡の場合は水に浸かったが、水が引いても電気が来ない。

電気が駄目だからポンプが動かず水道が出ない。従ってトイレも使えず洗濯も出来ず、風呂にも入れないと言う事態
になっている。水がない時に代りにガソリンを呑むと言う訳にはいかない。トイレも水の代りにサラダオイルを流すと言
う訳には行かない。こうした状況(悪循環)は他の被災地でも同様である。

電気も水道も不要のV屋根にせずに全てをお役所に任せて水道局に依存し、或いは電力会社に独占させているから
回復が遅れるのである。

今回23号では、ニュースのたび刻々と変わる被害の拡大に国民はオロオロし、腹も立てた。台風にではなくてお上
の怠慢に対してである。室戸では17mの高波で堤防が決壊した事について、行政側は「古い堤防だったから壊れた」
と言い訳した。其れで済むなら土木行政は無用だろう。豊岡市の円山川は警戒水位4.5mを越えた。

このため支流の水門のポンプを止めた結果、被害が広がって、本流の堤防まで決壊させたと見られる。その結果、
岡市の市街地の90%を浸水とする大きな被害を出したが、被害の後はゴミの山が出来た。此れは豊岡市の2年分の
量となった。このため東大阪市が見かねて11/3日に救援に向かった。

阪神大震災や今回の台風では但東町、淡路島、和田山町などでも被害を受けたが、どうして兵庫県は何度も大きな被
害を受けるのか担当者は反省すべきだ。此処には行政ではなく、神戸鰍ニ言うような成功体験のビジネス思考が残存
するからではないか。其の尻拭いを国民やボランティアに何時まで依存するのか。

04/11/16日、兵庫県は23号による被害見込み額を2546億円と発表した。また京都の由良川は堤防が低いだけでは
ない。河川の幅が途中で狭くなっているため、此れまで度々氾濫を繰り返した「前科」が有った。しかも由良川の河口部
は海面との落差が1mと言う現実を知れば、住民の側も便利さを求めて海岸部に町を作らない事である。

譬え堤防があっても、過去に洪水にあった由良川沿いや海岸部、其れに山際にも家を建てるべきではなく、田畑で残
すべきである。だがもう既に危険地帯に家を建てている場合は、住民が何時でも逃げられる準備が必要であり、其の
為には自力で直ぐにも脱出できる情報網と住民組織を作って置くべきです。

また行政はアナウンスで済ませずに自ら行動して避難させなければならない。無能な役所に今更何を期待しても無理
とは思うが、少なくとも欧米型の民主政治を標榜して課税して住民に君臨するならば、予め災害時のハザードマップを
作って広く徹底し、低い土地には市街地であっても固定資産税を課税しない。

その代わり新たな家を建てさせず、被害を受けても一切保証しない」とするか、買収して公園緑地にするか、もしくは農
地とするような計画を実行すべきだろう。所が04/11/5日のテレビニュースでは、119ヶ所の防災行政無線が停電など
で使えず、防災網として機能しなかった事が判明した。

非常用発電機のあった所も、スイッチの切替を忘れていたと言うからお粗末です。阪神大震災の苦い経験は生かされ
なかった。税金を使ったのは、新たな設備を作っただけで、其れさえ無意味にしたのです。またこの日のニュースでは、
舞鶴市や淡路島の対応がなっていなかった事が分かった。

土砂災害監視システムと言うのが設置されていたにも拘わらず、市の担当者が理解せず、放置していたと言うのです。
その結果、何人もが死んでしまった。今となっては、被災者に対して慰めの言葉もない。被災者に鞭打つのではなく、
行政の怠慢を糾弾したい。「台風は天災であり不可抗力だ」と甘く見る人は関係者として不適格である。

そうした安直さのツケが大きな被害となったのは言うまでもない事実です。一部の関係者の怠慢・無責任が大きな人災
となって被害を拡大させても、彼らは責任を取らず、被害もツケも国民が払う。彼らが悪いのに、どうして住民がツケを
払うのか。こんな日本にどうしてしてしまったのかと。

税金を使って無益な箱物を作った結果、被害が出たらまた余分な税金を巻き上げるカラクリが今の政治です。そうした
社会では今や野菜高騰となって後遺症も以後半年続くと言われる。その間、仕事が止まったり、しわ寄せを受けるのは
中小企業であり、高いものを買わされるのが消費者である。

お役所は結局、ゴミの山を積み上げるだけの、「後の祭り」しか出来ない駄目な所となり、後始末さえ出来ずに各地で
「自衛隊に頼む」という体たらく(機能停止)です。或いは「少数の人員では対応できない」と彼らは言い訳する。でも其
れは勝手な言い訳であり、理由にならない。

彼らは此れまで役人の大部分を気楽に遊ばせるために効率化の名目で、業務の直接担当の部課を縦割り細分化して
組織を拡大させて税金を食う構造にした。腰掛の仕組みに作り変えて、常に少数者しか仕事をしないような楽な職場に
した。無責任な仕組みの「縦割り行政の弊害」を作って来たのが彼ら自身であって納税者ではないのだ。

担当者が腰掛ワタリで次々変わるためにマニュアル通りにやっても旨く行かず、地元にも歴史にも無知な素人がウロ
ウロするだけとなっている。しかも天候は週末でも急変するのに彼らお役人は週末には必ず休みで出て来ないから役
場は機能しない。この様にお役所は「天に唾する行為」を自ら積み重ねて来た。

旨く行くのは訓練や演習の時だけです。ですから実際の災害発生時には、スピーカー1つで「上意下達」しても住民が動
きませんでした。どんなに巨費を掛けた設備でも、水没すればイザと言う時に停電していて機能しない。何かあったら
ランティアか、自衛隊に依存する体質です。被害が出れば「義捐金を受け付ける」と言うのでは能がない。

一体、「何のためのお役所なのか」、其の存在意味が問われよう。初めから「ないほうが良い」のです。この様に何から
何までおかしくなった日本を、もう「先進国の仲間」とは言って貰いたくない。古来台風は実は、このようなお役所に反省
を促し、改めなければ滅ぼそうとして吹き荒れる。

其れをシナでは天命の変わり目として、「革命」と書いたのです(「ノワキ」、「洪水」、「祓い」、「みそぎ」、「防災」を参
照)。

また季節外れの台風27号がフィリピンに大きな被害を与えて04/12/5日、其の余波が豊岡に及び、大雨を降らせて再
び豊岡市を水浸しにしたが、此れも原因が「ポンプの工事中」と言う、人災だった。ですが他方、公共工事の自粛で青
息吐息だった土木業界を今回の台風と地揺るぎが復活再生させ、結構活気に溢れ出したから皮肉です。

「風が吹けば桶屋が儲かる」と言う諺は今も立派に生きているようだ。

台風13号(06/9/17-18)・・・・・・・・台風13号が06/9/17に西表島では69.9mの強風となり、台風の中心から200kmも
離れていた延岡市では風速38.6mの一部が突風・竜巻となり、幅200m南から北へ長さ約6kmを時速70kmで通過して
荒らした(竜巻を参照)。北九州では韓国の貨物船が岸に打ち揚げられ漁船も丘まで上げられた。

大宰府天満宮も被害。福岡文化会館もステンレスの屋根がグシャグシャになった。防府市ではバスが飛ばされた。停
電は37万世帯。9名死亡1名不明。この日、米国でも突風被害。ミネソタ州では屋根や壁が吹き飛ばされた。メキシコで
は9/16-17のハリケーンで57mの暴風で3名死去、エルドラドが水に浸かった。

詳しくは次ページの「台風の進路」を参照。
台風15号は日本には来なかったが9/28-29日にフィリピンに上陸してルソン島などで死者61、不明69名の被害となっ
た。



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台風2
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